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白い足
夜になって、あの女から電話が入った。
すぐに来てほしい、という切迫した声だった。
もう夜になっていたし、昼間の天気とは変わって、雨が降り始めていた。
外出する気分にはなれなかったが、すぐに電話を切られて、断るタイミングを逸してしまった。
傘を差して、女の指定した場所まで出かけていった。
何者かもわからない女から呼び出されて、こんな時間に暗渠にでかけるのも奇妙な話だ。
自分が滑稽なことをしているようで何度か戻り掛けたが、桐夫が女に借りがある、ということが、どうにも引っかかって、言われた道をたどるしかなかった。
女の指定した場所はわかりやすかった。
一旦暗渠に出たら、それを川下へと進んでいけばよかったからだ。
普段歩くことのない道は、新鮮で楽しかった。
暗渠に面した家々や花の植えられた花壇などを見ながら歩いていくと、長身の女が街灯の光の差さないところに立っているのが見えた。
私は、いささかひるんだが、何気なさを装いながら女に近づいた。
声を掛けようとしたときに、女が目の前の草むらを指さした。
そこにはあまり手入れの行き届いていない花壇があり、草が生い茂っていた。
腰くらいの高さもある草むらの奥に、何かが見えたような気がした。
雨に濡れた草むらを、濡れないように用心しながらかき分けると、いきなり目の前に白いものが見えた。
投げ出された足だ。
丈の長いスカートから二本の足が伸びて、雨に濡れている。
私は思わず息を呑んだ。
さらに草をかき分けると、顔が見えた。
濡れた黒い地面の上に、若いきれいな顔が透き通るような白さをたたえている。
不意に目を開けて、起き上がってきそうだったが、彼女が死んでいることはひと目でわかった。
振り返ると、あの女がじっとこちらを見ていた。
私は何かを聞こうとしたが、喉が干上がって声が出なかった。
それを勘違いしたのか、彼女は右耳を私に突き出してきた。
私は首を横に振ってからため息をついた。
彼女は「今夜は新月だから」と言った。
私は、もう一度若い女性の死体に目をやった。
白い素足に、雨粒が落ちて流れていた。
足元にサンダルが落ちていた。
履かせてやらないとかわいそうに思えて拾い上げた時、彼女の右足に小指がないことに気がついた。
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